看護師で腰痛に苦しんでいる方は、非常に沢山いますよね。病棟で働いている半数以上の看護師が、腰痛で苦しんでいるとさえ言われています。もはや、看護師にとって腰痛は職業病と言っても過言ではありません。
ご承知の通り看護師の業務というのは、肉体的、精神的に非常にハードなので、一度腰痛を発症すると長い間、腰痛に苦しめられることになります。看護師が腰痛になる主な原因は、患者さんの看護を中腰で行った際にかかる非常に大きな関節への負担というのがあげられます。また、仕事上ストレスも多く、夜勤や準夜勤などの変則勤務によって、どうしても生活のリズムが不規則になってしまう事も腰痛の大きな原因とされています。
看護師の9割以上は女性であるためストレスが蓄積されることで、自律神経のバランスが乱れやすくなります。そして、自律神経のバランスが乱れると、腰痛だけではなく、様々な問題が生じることになり悪循環に陥ってしまいます。無理して腰痛のまま勤務しつづけると、次第に日常生活にも支障をきたすようになり、看護師として勤務するのが困難になりますので、無理はしないようにしましょう。
患者さんの体位変換、清拭、おむつ交換等は、常に中腰の状態で行なう為、看護師さんの仕事の中でも腰への負担が特に大きな業務と言えます。ある調査で、看護師が中腰(いわゆる腰痛の主な原因となる体勢)の状態でいる時間は、全体の業務時間の8割に上るという結果が出ています。カルテ記入や報告以外の患者さんの身の回りのケアは、ほとんどが中腰での仕事内容になるのです。特に最近では高齢化が進んだことにより、高齢患者さんが増えています。高齢患者さんの車椅子への移動介助、入浴介助、排便介助などは、特に関節への負担が大きいため必然的に腰痛の発症率は高くなります。学生時代にスポーツで鍛えていた人でも腰痛で苦しんでいる人は沢山います。腰痛で最も多いのは、椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄です。これらは難易度が非常に高く、長期間にわたって治療していても症状が改善されないケースも多々あります。医師の診断によって導き出された痛みが生じる部分と、実際に痛みが生じてる部分がズレているため、治療しても中々治らないのが現状です。看護師さんの中には、腰痛になって仕事ができなくなり、数ヵ月の間休職するケースも少なくありません。しっかりと自分で意識して「腰痛対策」を行う必要があります。