年齢を重ねると発症率が高くなる腰痛ですが、看護師、事務職、ドライバーなど腰痛になりやすいと言われている職業においては、もはや職業病と諦めている方も多いと思います。日本で腰痛に悩まされている人は約2800万人、実に日本人の5人に1人が腰痛を抱えていることになります。
腰痛を引き起こす原因としては、運動不足やストレスなど様々な要因が挙げられており、腰痛は「姿勢を変えると楽になったり、痛みがなくなる」、「姿勢を変えても痛みがなくならない」の2つのタイプに分けることができます。腰痛で通院される方のほとんどは「姿勢を変えると楽になったり、痛みがなくなる」という症状です。残りの方は「姿勢を変えても痛みがなくならない」症状となり、この症状は注意が必要と言われています。
腰痛の症状を見る場合に、気をつけなければならないのが腰痛と伴って現れる症状です。足のしびれ、痛み、周期性の発熱、この3つの症状が現れた場合には、単なる腰痛ではなく、病気が原因で腰痛が引き起こされている可能性があると考えた方が良いでしょう。多くの人が腰痛を軽視していますが、一口に腰痛といっても、それを発症する原因は1つではありません。腰痛の影には大病が隠れているかもしれないのです。まずは自分の痛みがどちらのタイプなのかを判断し、タイプが「姿勢を変えても痛みがなくならない」の場合には、早急に医師の診断を受けることをお勧めします。
・多発性骨髄腫・・・骨髄で作られている血液成分の1つが、ガン化することによって発症します。腰周りに重い痛みが続きます。血液のガンで白血病の一種とも言われ、腰痛の他に貧血、全身倦怠、脱力、体重減少を引き起こします。
・椎間板ヘルニア・・・腰椎周辺の神経が圧迫され、腰のあたりから足にかけて激痛が起きます。腰あたりから下の痛みの他に、感覚障害、筋力の低下、排尿障害なども起きます。
・子宮筋腫・・・子宮を形成する筋肉が変形し良性腫瘍となり、腫瘍が大きくなることで月経量が増加したり、血の塊が増えるなどの症状がおき生理痛がひどくなります。生理期間が長くなるのも特徴で、症状として腰痛、下腹部痛、頻尿、便秘を引き起こします。
・子宮筋内膜症・・・20~30代女性に多い病気です。子宮内膜の組織が子宮以外の場所で定着してしまい、その場で月経を起こします。ですが、子宮以外は月経を排出する機能がないので、その場に滞留してしまい、腰や下腹部の周りに耐え難い激痛を引き起こします。